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せきねしんいちの観劇&稽古日記

近況まとめと出演のお知らせ

2月29日(水)
 ごぶさたしています。
 2月後半は、杉並区立富士見丘小学校の卒業公演「夢探し人観光会社」の準備(授業)と「アイニク」の稽古でわたわたしていました。
 あ、24日に卒業公演が終わってからは、ちょっと一息つけているかんじでもあるのですが・・・・
 全然日記じゃない、週記かどうかも微妙なこのブログですが、近況をまとめておきますね。

2月21日(火)
 昼間、富士見丘小学校で授業。3、4時間目。
 昨日のグループ練習を踏まえての、冒頭からの小返し稽古。最後まで行く予定が、結局、半分ほどで時間切れ。続きは明日に。
 風邪でお休みの子が何人か。とても心配だ。本番には全員揃ってほしいと祈るような気持ち。
 夜、「アイニク」の稽古。46人の6年生の子供たちを演出するのと、大人の俳優さんたちの中で自分の演技のことを考えるのとでは、全然違うスイッチが入るなあと改めて。駅から稽古場へのやや長めの道でその気持ちの切り替え。
 稽古終了後、明後日の誕生日をサプライズで祝っていただく。素敵な花束をいただいた。ありがとうございました。家に帰って、早速、花瓶に活ける。

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2月22日(水)
 富士見丘小学校演劇授業。1〜4時間目。昨日の続きからラストまでの小返し稽古。
 後半で、一回目の通し稽古。無事終了。
 今日の上演時間は57分。もう少し短くなるんじゃないか。
 通してみたことでわかったことがたくさん。
 子供たちも、心なしかほっとしたような表情。

2月23日(木)
 今日も1時間目から4時間目までの授業。
 通し稽古を2回。
 一回目はいい集中ができたと思う。二回目は、少し油断したかんじでセリフがつるつると流れてしまったかもしれない。
 子供たちに感想を聞くと、二回目の方が良かったいう意見が多い。
 一回目の方がちゃんとセリフが届いていたよと話す。
 照明の横佩彩ちゃんが来てくれる。
 お昼は、バイキング給食ということで、特活室で6年生全員と先生方が一緒に。
 ケバブ風のハンバーグとメルルーサのフライ、チーズケーキ、おにぎり、トマト、オレンジ、あと何だっけ、献立がテーブルに書いて置いてあったんだけど・・・とにかくいろいろ豪華。
 子供たちの班に大人が混ぜてもらって、一緒に食べるかんじ。
 一人の男子がメニューの「メルルーサ」というのを見て、「見ると石になっちゃうやつ?」と言う。「それはメデューサ!」と女子がつっこんでいた。うん、そうだよね。よく知ってたね、メデューサなんて。
 食事しながら、授業のときとはまた違う子供たちどうしのおしゃべりを、横から楽しませてもらう。
 午後、照明の仕込みを失礼して、別の仕事へ。
 終了後、出先から電話をしたところ、機材のトラブルが発生中とのこと。大急ぎで戻る。
 17時に学校着。トラブル自体は解決していてほっとする。その後、舞台の幕の直しをして、実質の照明の仕込みのお手伝いはできないまま、またお先に失礼する。
 大崎のアトリエヘリコプターへ。20時開演の舞台、五反田団といわきから来た高校生「チャンポルギーニとハワイ旅行」。
 いわきの高校のフラダンス部が来週に迫った大会の準備をしている。ココナッツブラがなくて、代わりに何を使うかでもめたり、いわきの近くの勿来には、チャンポルギーニという怪獣が現れていたり、部内ではほのかな恋模様があったり、震災で立ち入り禁止になっている校舎へ行ってみたり。急病で出演できなくなった男子の代わりを前田司郎さんが演じている。高校生役。高校生にちゃんと見えているのがすばらしい。
 去年見た演劇部の公演「Final Fantasy for XI.III.MMXI」では、まさに震災が彼らに与えた影響とそれにどう立ち向かうかを描き、先月いわき総合高校で見た「ハロースクールバイバイ」ではバレー部の試合と練習の様子を角度を変えて繰り返す中、まさに今ここにいる彼らの姿が描かれた。どちらも、まさに「今」だからこその演劇だった。
 今回の「チャンポルギーニとハワイ旅行」は、前田司郎さん独特のゆるさといろいろあるけどそれどころじゃないという高校生のありようがほのぼのとおかしい。でも、その背景には震災の影響がどうしようもなく立ち現れてくる。
 この数ヶ月で見た3つの作品が、テイストとしては全然ばらばらで、それでも、いわき総合高校の彼らにとっての「今」を切り取り、演劇として今あるべき理由をちゃんと持っていることに心を打たれる。
 終演後、大崎駅までの暗い道を歩く足取りの軽さに驚いた。ここ数日の疲れを忘れさせてくれたなあと、こういう芝居が好きだなあと思ったことだった。
 照明の仕込みの進捗について電話でやりとり。無事に仕込みは終わったとのことでほっとする。
 明日は本番。

 バースデーメッセージをお送りいただいたみなさん、どうもありがとうございました!
 新しい一年をかけがえのないものとして、大事に過ごしていきたいと思います。
 今年もよろしくお願いいたします。

 関根信一

 
2月24日(金)
 杉並区立富士見丘小学校の卒業公演、当日。

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 8時15分に体育館に集合して、もろもろの確認。
 子供たちがやってきて、照明の中での動きの確認。
 暗転はないのだけれど、いつもとは違う明るさの中で芝居してもらうので、要所要所を確認する。
 風邪で休んでいた子供たちが全員揃った。よかった。
 劇の後半で全員が登場している場面の演出を少し変更する。
 ラストにドラゴンが飛ぶ場面の演出も。
 これまで段取りでやっていた子供たちが、ぐわんと本気で動き出した瞬間が見えた。
 午前中に1回目の上演。1年から5年生までが見る。
 例年と同じように今年も、体育館の舞台と、フロア全体を使っての上演。観客は体育館の左右から見る形。
 一番遠い距離では約40メートルを隔ててのセリフのやりとりがある。

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 大人でもどうするよと思ってしまうこの大変さを、子供たちは当たり前のこととして演じている。
 それはなぜだろうかと考えると、彼らは、1年生の頃からこの形式の卒業公演を毎年見ているからだと気がついた。
 彼らにとっての演劇(卒業公演)は、舞台の上でだけ演じられるものではなく、体育館全体を使ってのものなのだと。
 舞台の上からフロアの中央まで駆け下りてセリフを言うキャラクターが何人もいる。普通に考えると大変なことなのだけれど、彼らは、それをはずみにして、のびのびと力強い、印象的な場面を創り上げてしまっている。
 今年の1年生たちも、体育館のあちこちに演技エリアが移動するたびに、体を動かして向きを変えて、とてもよく見てくれていた。
 登場人物たちが椅子を円形に並べた中に閉じ込められる場面では、「檻?」と声に出して聞いてくれていたり、ドラゴンが飛ぶ場面では、登場人物達と一緒に声援を送ってくれたり。今年もまたびっくりするくらい、いい観客だった。
 無事に終演。午後の保護者向け、一般公開の上演の準備。
 例年、給食を食べた後、体が休んでしまうので、何とか起きてもらう工夫をするのだけれど、今年は、その他に、お互いに感想を言い合うという時間をつくった。
 特活室で次々相手を変えながら、その相手の演技のいいところ、もっとこうしたらいいと思うところを次々に言っていくということをした。
 そして、これも例年言っている、誰かが失敗しても「何だよ、もう!」と思わずに「がんばれ!」と思うようにしようねと話した。
 そして、二回目の上演。大人達の反応は上々。台本の細かいニュアンスに反応してくれて、午前とはまた違った芝居になっていく。
 途中何度かセリフのやりとりが滞った瞬間があったけれど大丈夫、うまくフォローして芝居は途切れずに続いていった。
 ラスト、子供たちが作詞作曲をした「夢」という歌を全員で歌って、この芝居は終わる。何人かが「○○になりたい」というセリフを入れていく。その言葉がそれまでの全員の歌声に負けない力を持って響いているのが頼もしい。
 終演後、特活室で振り返り。みんないい顔をしている。
 おつかれさまでした。
 体育館で片付けをしている間に、「帰りたくない。学校に泊まりたい」と言っていた子がいたと聞く。ああ、そうだよね。わかるその気持ち。芝居を始めたばかりの頃の、劇場を去りがたかった、仲間と別れるのがさびしかった気持ちを思いだした。
 夜、先生方と振り返りの会。
 校長先生をはじめ、みなさんから感想をうかがう。
 4年生が早速書いた感想絵日記を見せてもらう。一度しか見ていないのに、登場人物や動物たちの様子が細かく丁寧に書いてあることに感動する。
 6年生になったら自分も演劇をがんばりたいという言葉もうれしい。
 全員揃って無事に終演できたことに感謝。おつかれさまでした。

2月25日(土)
 「アイニク」稽古。
 夕方から。
 冒頭から小返しの稽古。
 僕はようやくのびのびとした気持ちで舞台にいられるようになったかもしれない。
 いろいろやらせてもらう。
 少し早めに稽古場を出て歩いていたら、肘井美佳ちゃんが追いついてくれた。駅までおしゃべりしながら歩く。芝居のことあれこれ。そして、駅で他のキャストのみなさんとも合流。

2月26日(日)
 「アイニク」稽古。
 スケジュールの都合でこれまで稽古できていなかった場面をようやく。
 わからないところを、藤原希ちゃんに教えてもらいながら。感謝。
 夕方から、渋谷の「どうげん」に移動。
 劇中に登場するスチールの撮影。
 僕は到着してメーク。今回、全編が女装なので。
 撮影終了後、今日もまた焼肉。
 またまたびっくりするほどおいしいお肉を堪能する。
 ごちそうさまでした!

 と、軽くまとめるつもりがすっかり長くなってしまいました・・・。
 これから、ちゃんと日毎に書いていこうと思います。はい。

 明日、というか今日、共演の及川奈央さんの番組に出演します。ニコニコ生放送で20時からです。
 「アイニク」のキャストのみなさんと一緒です。
 (有料放送です。携帯からもご覧いただけます)。
 どうぞご覧ください。

 及川奈央の自然体にもほどがある2~舞台「アイニク」直前SP
 3月1日(木)20時開始
 MC:及川奈央
 ゲスト:綾田俊樹、伊藤真奈美、岡田亜矢、キンタカオ、鈴木ちえ
 関根信一、豊永伸一郎、肘井美香、村島リョウ、森下亮、若林幸樹

 よろしくお願いいたします!
 握手。

 関根信一
by shin_ichi_fs | 2012-02-29 23:55 | 日々のいろいろ
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劇団フライングステージの 関根信一の日記

by shin_ichi_fs
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◇プロフィール
関根信一(せきねしんいち)
劇団フライングステージ代表
劇作家、演出家、俳優
非戦を選ぶ演劇人の会実行委員

◇リンク
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